熊本日日新聞コラム「きょうの発言」記事
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未来のため責任ある1票を


 先日、今度の県議選(人吉市区)に向けて、立候補予定者による公開討論会が同市で開催された。私たちも報道関係の一員として開催の知らせを受けた。
 わが情報誌は、(1)過去の出来事は記事にしない (2)政治的内容は誌面に出さない─といった基本的なスタイルを持っている。討論会に出席しても記事化することはなかったが、私も一有権者としてこの機会に候補者の考えを聞くことは、自分自身の判断材料になると考えて出席した。
 今度の統一地方選挙。人吉球磨地方は「川辺川ダム建設問題」を抱え、全国的にも注目されている。ややもすると争点がその一点になりがちだが、「ダム」だけがすべてではない。四人の候補者がダム以外のビジョンや政策をどう持っているかを知る必要がある。主催者側の意図もその点にあったと思う。
 討論会ではまず会を公平に進めるためのルール説明があり、次に、用意された質問に対し、四人の候補者それぞれの主張を発表した。
 「ダム」、次に合併、教育、財政問題など。ダム問題には、賛成、反対はっきりとした違いがあった。次に合併問題。これは全員が推進だった。それ以外の質問については、特に明白な違いは見つけられなかった。
 「ダム」に関する主張が過ぎたころには、明らかに「いびき」と思われる音までが聞こえだした。それは、だんだん大きくなり、ハラハラするほどにまでなった(ヤジや罵声は禁じられていたが「いびき」はなかった)。
 日曜日(十三日)は県議選の投票日。判断材料?うーん。ただ、一つだけ決めていることは、これから続く未来のために、責任ある一票を投じなければならないということだ。

(平成15年(2003年)4月10日(木曜日) 熊本日日新聞 夕刊「きょうの発言」 文:有地 永遠子)

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